潜在意識の三つの法則
潜在能力には、三つの原則があります。
この原則は、心理学の特定の領域、特に人間の意識と無意識のダイナミクスを探求する心理学の分野に根ざしています。
心理学者の研究では、人間の心の内には潜在的な能力が存在し、それを理解し、活用することで、行動と結果を改善する可能性があると考えられています。
今回は、その具体的な内容を説明し、潜在意識の書き換えを進めるためのワークに取り組んでいきましょう。
第一の法則
第一の法則は、「潜在意識に不可能はない」というものです。
これは、認知心理学の観点から見ると、顕在意識(私たちが意識的に考え、感じ、行動する部分)が「不可能」と判断するのは、事実を根拠にしている場合もあれば、限定的な信念や恐怖に基づいている場合もあるということを示しています。
このため、私たちが「無理だ」と思うことが、必ずしも真実であるとは限らず、代わりにそれは私たちの自己制限や制約を反映しているかもしれません。
対照的に、潜在意識には、「無理」や「不可能」という概念が存在しないとされています。
これは、潜在意識が私たちの深層心理に存在し、文化的な規範や社会的な期待から自由であるということを示唆しています。
それは純粋で、制約なく、全てが可能であると信じています。
この観点は、ポジティブ心理学や成長マインドセットの理論とも繋がっており、どんな状況でも成長や進歩が可能であるという視点を強調しています。
子供の頃の夢や願望について考えると、この法則をより具体的に理解できます。
多くの人が子供の頃に大きな夢を持っていましたが、それが叶えられなかったとしても、その過程で学んだことや得た経験は、その人の人格形成や能力開発に寄与したと言えるでしょう。
そして潜在意識は、私たちが願うことを何でも叶える力があると言われています。
これは、心理学の目標設定理論や自己実現理論に基づいています。
つまり、私たちが強く願い、具体的な目標を設定し、それに向かって行動すれば、潜在意識はその目標達成のためのエネルギーを提供するというものです。
そのエネルギーを阻害するのが、自己制限的な信念や恐怖であり、これらは「そんなの無理」という言葉として表現される場合があります。
第二の法則
潜在意識の二つ目の原則は、「潜在意識は容量無制限である」ということです。
この表現は、人間の潜在意識の広大さと無制限の可能性を描写しています。
人間の脳は、最も高度なコンピューターよりもはるかに多くの情報を処理し、保存する能力を持っています。
一方、重要な注意点として、潜在意識は情報を貯蔵するだけでなく、それらを適切に整理し、価値を認識する役割も果たす必要があります。
この意味で、潜在意識は中立的であり、それ自体は情報を「良い」もしくは「悪い」、「できる」もしくは「できない」と判断する能力を持っていません。
このため、私たち自身が、情報の品質と有用性を評価し、適切に分類し、意味づける力を身に付けることが必要です。
たとえば、外国語の文字が何を表しているか理解していなければ、それはただの形状にすぎません。
しかし、その文字の意味を理解すると、それは有用な情報となります。
これは、私たちが適切に情報を処理し、理解するために必要なスキルを象徴しています。
第三の法則
潜在意識の第三の原則は、「潜在意識はすべてを受け入れる」というものです。
これは、潜在意識が全ての情報を無差別に受け入れ、保存する能力を示しています。
その一方で、潜在意識が情報のフィルタリングや選択を行わないということも意味します。
この結果、私たちが日々接する情報、特にネガティブな情報がそのまま潜在意識に影響を及ぼし、私たちの思考や行動に影響を及ぼす可能性があります。
ヘイトクライムや偏見に基づく行動は、このような情報のフィルタリングが適切に行われていない結果と言えます。
そのため、潜在意識が情報を無差別に受け入れる特性を理解し、適切に情報のフィルタリングを行うことが求められます。
このフィルタリング作業は、顕在意識(意識的な思考)で行う必要があります。
顕在意識がポジティブな情報を選択し、ネガティブな情報をブロックすることで、潜在意識に良い影響を与え、健全な思考と行動を促すことが可能になります。
逆に、もし顕在意識が全ての情報、特にポジティブな情報までブロックしてしまうと、それらの情報は潜在意識に達することがなく、それらが引き起こす可能性のあるポジティブな影響も得られません。
このため、情報のフィルタリングは適切に行うことが重要であり、そのバランスを保つことが、真の成功への道となるでしょう。
ワーク
ここで、あなたの潜在意識の書き換えを進めるために、ワークを2つやってみましょう。
ワーク3
あなたが、過去に「やるぞ!」と思いながら、それを「不可能」だと判断してやめてしまった経験を思い出してください。
1 それはどんなことでしたか?
2 なぜ、「不可能」と思ってしまったのでしょうか?
3 どのようなことをすれば、それは「可能」にできたのでしょうか?
これらのことを具体的にノートに書き出してみましょう。
ワーク4
今、あなたが「ぜひやりたい!」と思いながらも、「不可能」だと判断してやめてしまったことや、やめてしまいそうなことは何ですか?
1 なぜ「不可能」だと考えるのですか?
2 可能にするためには、どのようなことをしなければいけませんか?
3 実現するためには、何が必要ですか?
これらのことを具体的にノートに書き出してみましょう。
2つのワークをやってみて、
あなたの「そんなのムリ!」のパターンが見えたら成功です。
不可能と思わずやってみればうまくいったかもしれないのに、やめてしまった。
それに気づけたことが大きな収穫です。
今回のチャンス、そして、今後のチャンスを逃さず生かすためにも、
あなたの顕在意識による情報のフィルタリングを見直しましょう。
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